バ美活中のおじさんたちに届けたい
前回の記事『おじさんがおじさんの可愛さに嫉妬する地獄の2018年』を多くの方に拡散して頂きありがとうございます。おかげさまでTwitterのトレンドや、はてブの総合にも載る記事となりました。バ美肉おじさんたちが見せてくれる地獄の美しさを多くの方たちに届けられたのはとてもうれしく思います。
そのせいか……かはわかりませんが、VTuberをあまり知らない知人のおじさんたちも、恋声をつかってかわいい声を出そうとする姿が多く見られるようになりました。この2018年の地獄はより美しいほうに向かっています。
さて、今回紹介したい配信はそんなバ美活に励んでいるおじさんたちにぜひ知っていただきたい配信です。
ボイスチェンジャーを使わずに地声で男声と女声を使い分けられる『両声類』VTuberふぇありすさんのチャンネルに、バ美肉のアイドルおじさんことマグロナちゃんが招かれ、「男がもっとかわいい声を出す方法」を追求するコラボ配信が行われました。
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両声歴7年の美少女(男性)VTuberふぇありすさん
ふぇありすさんはVTuberとしてデビューする以前から『両声類』としてニコニコ動画などで活動していました。ふぇありすさんの両声類歴は7年にもなるそうで、プロ並の芸歴を持つ美少女(男性)VTuberです。
そんなふぇありすさんがどんな声をしているのかまずは聞いてみましょう。
完全に女の子の声です! キャラの演じ方も上手く、もはや女の子っぽいを超えてアニメの美少女キャラのよう!
ふぇありすさんの凄いところは声のかわいさだけではありません。男性の声と女性の声をスムーズに切り替えることも可能で、男性役と女性役に分かれて配信中に一人芝居を行う姿も見られます。
そんなふぇありすさんの男性の声(地声)を聞いてみましょう。
男性としてはやや高めでとても聞き取りやすい声です。この地声になっているときは「ゆうくん(※)」と呼ばれています。※ふぇありすさんの中の人の名前
ふぇありすさんは普段は女性の声で活動されているため、実は男性だったと知らない人も多くいます。その方たちがふぇありすさんの性別を知ってショックを受けることを『ふぇありすショック』と言い、国内のみならず、海外の視聴者がショックを受ける姿も観測されているため、『ふぇありすショックは全世界共通だ』とも言われています。ふぇありすさんレベルの両声類は、世界レベルでも珍しいことが伺えるエピソードです。
コラボ配信の始まり
そんな両声類として高いレベルを持つふぇありすさんのチャンネルにバ美肉のアイドルおじさんことマグロナちゃんが招かれ、「男がもっとかわいい声を出す方法」を追求するコラボ配信が行われました。
マグロナちゃんの恋声の設定
ふぇありすさんとマグロナちゃんの対談でボイチェンと言われているものは、全て恋声というフリーアプリです。恋声で変更可能なのは声の高さ(ピッチ)と声の性質(フォルマント)の二種類になります。
マグロナちゃんの恋声の設定はピッチ・フォルマントともに122%だそうです。しかし、この設定でマグロナちゃんが地声で喋っても、モザイクがかかった女性みたいな声になってしまうとのこと。マグロナちゃんは配信中、市役所に電話をかけるときのような少しだけ高い声(通称:市役所電話ボイス)を出されているそうです。
マグロナちゃんの環境設定はこちらのページ(マグロナちゃんのファンボックス)にも詳しく記載されていますので、興味がある方はぜひどうぞ!
ふぇありすさんが地声(ゆうくん)でマグロナちゃんの設定で喋ってみると――
(7:29よりスタート)
男性としてはやや高めの声のゆうくんであってもやはり地声で喋るとマグロナちゃんのようなかわいい声にはなりません。それでも自然な女性らしい声はありますが、ピッチを上げると音が割れてしまい、モザイクがかかったような声になってしまいます。
マグロナちゃんが明かす恋声の極意
ゆうくんのボイチェンを聞いたマグロナちゃんは、ボイチェンをモザイク声のようにしない極意を明かします。
「ボイスチェンジャーのボイチェンっぽくなりすぎる音って、ピッチが高すぎるか、フォルマントかピッチを入れすぎて音が壊れてるかのどっちかなんですよね。で、ボイスチェンジャーの極意っていうのも、基本はボイスチェンジャーをどれだけ下げられるかなんですよ。どうしてもやはり余たちは男性なので、ブレスの端々とか言葉の抜けとかに声管の太さみたいなのができてしまうんですが、ふぇありすさんぐらいまで修行するとそこをだいぶ抑える事ができて、そこを機械に頼ろうとしても限界があるんですよね。で、余の中のラインで、恋声で言うとピッチもフォルマントも上限は130%だと考えているんですよ。それ以上は音が壊れて、万引き主婦(モザイク声)になってしまうんですよね。元の声を限界まで女性に近づけた上で、理想はふりかけ程度に僅かにフォルマントを入れて、ピッチはもうほとんど入れるか入れないかギリギリぐらいにするのが、ほぼ完璧なボイチェンが完成するんじゃないかと思ってるんですよね」
う、うおおー!! すごい重要情報だ!! これはバ美活おじさんたちにいますぐ伝えたい情報です!!
整理するとこうなります。
『恋声のピッチ・フォルマントの上限は130%まで(下がれば下がるほどボイチェンらしさが減る)。それ以上にするとモザイク声になってしまう。その設定で女性の声として変換されるように地声を高くして女性の声に近づける』
これがマグロナちゃんが明かす恋声の極意です! なるほど、お二人のコラボした理由が見えてました。両声類という肉体の技術と、恋声という文明の技術、両者からアプローチをかけて理想のかわいいボイチェン声を作り上げていく……! これが……バ美活……!
マグロナちゃんに教わった設定で喋ってみるゆうくん
(14:35よりスタート)
おお! ゆうくん(地声)の状態であってもふぇありすさんが喋ったような感じの声になっています!
両声類の基礎ができているふぇありすさんは、ちょっとコツを教わっただけで恋声の適合者となってしまいました。漫画の天才キャラみたいだ……!
ただ、やはり完全に地声で喋るとゆうくんであってもかわいい声にはならないようです。電話で話すときのような少し高い声、柔らかく喋るような外行きの声、そんな感じで喋るのが恋声においては重要のようです。
ふぇありすさんが明かす女性らしくしゃべる極意
どうやらボイチェンで女性の声を出せたとしても、喋り方が男性のままだと男性の声に聞こえてしまうようです。
しかし女の子っぽい喋り方となるポイントを、7年の両声類歴を持つふぇありすさんはバッチリ熟知していました。
今度は女性っぽい喋り方について、ふぇありすさんがその極意を明かしてくれます。
ま「ボイチェン使っててもやっぱり、他の友達でも声はそれなりに整ってるけど、やっぱ男性に聞こえちゃうなって人は、喋り方がすごい男性的ですね~」
ふぇ「あ~、そうですね、やっぱり声の質はよくても、喋り方がダメだと、どうしてもその、男に聞こえちゃうんだよね、不思議と」
ま「そうですね、語尾とか、そういうところからわかりますね。ただ、余はわからないんですよね、なにがそう(女の子っぽく)なっているのか」
ふぇ「何が女の子っぽいのか。喋り方としたら、女の子っぽい喋り方っていうのは抑揚が激しいのがまず、前提というかぁ」
ま「ハイハイハイ(相槌)」
ふぇ「今のマグロナちゃんのハイハイハイ、もうそうだし、マグロナちゃんはなぜかやっぱり、できてるんだよねぇ、天性のかわいいの才の持ち主だから」
ま「あー、あはは(かわいい笑い声)。なんなんですかねぇ~」
ふぇ「いまのなんなんですかね~とか(もできてる)、『ね~』もちゃんと音の高さに直したらすごい揺れがあってぇ、男の人は”なんなんですかね”みたいな、淡々と喋っちゃう」
ま「あ~! なんなんですかね~(確かめるように)」
ふぇ「そう、語尾伸ばしもかなり大事でぇ」
ま「あ~あはは!(清楚な笑い声) これなんなんですかね~、これ、癖ですね~」
うおお~!! これも重要情報だ~!! そしてマグロナちゃんをこれを意識せずにできているのも凄い……やはりマグロナちゃんはかわいい才能を持っている……!
ふぇありすさんの明かす女性らしい喋り方の要点をまとめると、以下のようになります。
言葉に抑揚を付ける。
「何なんですかね」という短い言葉でもあっても淡々と喋らず、音の高さに差を付けるように揺らして喋る。
そして語尾を伸ばす。
これが女性らしく喋るコツのようです。
マグロナちゃんの天性のかわいさの秘密
話題は「マグロナちゃんがなぜ意識せずにそんなかわいい喋り方ができるのか?」という方向に転がっていきます。
ふぇ「私は7年間、喋り方にしても、こういう喋り方にしたいな~ってのを一から作った人だったから、(いきなり女性っぽく喋れているマグロナちゃんを見て)これが本当に天性の適正なんだな~って思ったな~」
ま「あははは(かわいい笑い声)」
ふぇ「喋り方って言ったってそんな一朝一夕で身につくものじゃなくて、やっぱいちばん難しい部分ではあると思うんだよね、喋り方って。だからその部分がパスできてるのが、マグロナちゃんがかわいいって言われる一番の部分なのかなって、もちろん声質もあるんだけど、やっぱ喋り方って大事だから、あと言葉選びがかわいいってのも、それは才能だよね」
ま「どうなんですかね~(かわいく笑いながら)、そのおじさんだから、なるべく波風が立たないように、ぐらいなテンションなんですけど」
マグロナちゃんがかわいい喋り方ができているのはおじさんだからという衝撃の事実が明かされました! おじさんは波風が立つのが怖いので言葉選びが優しくなる! おじさんがかわいい理由が、理論的に説明された瞬間です!
――しかし、その答えだけでは納得ができなかったふぇありすさんはさらに話題を掘り下げます。「かわいかろ~?」とか「~~なのだがぁ」などの、マグロナちゃんの定番のセリフのルーツを探っていきます。
ま「(定番のセリフのルーツを聞かれ)それ実はめっちゃ恥ずかしい話なんですけど、方言なんですよ」
ふぇ「えー!? うそー!? そーなのー!? かわいかろ~ってー!?」
ま「方言っていうか、なんだろう、「かわいかろ~?」が方言なわけじゃないんですが、「~~なのだがぁ」って話を余はたまに言うじゃないですか。あれは正確にはあの、愛知県の名古屋より右のほうにある、バーチャル右側市の……」
ふぇ「バーチャル右側市!?」
ま「そう、バーチャル名古屋右側市の方言だと「~~だがぁ」って言うんですよね、~~~じゃない?みたいなの。「なれ~はよやりゃあ」みたいな」
ふぇ「うわーかわいい! めっちゃかわいい! ヤバイ!」
ま「ただ、余たちの地方では、「~~だが」みたいな”が”って濁るのは汚いとされていて……(コメントを読んで)三河じゃないよ! 尾張だよ! じゃんだらりん星人といっしょにするなぁ!」
ふぇ「あはは! 尾張なんだね!」
ま「尾張だよ余は~! ……で~、いま、ごめんなさい、地方民の、地方民同士の汚いバトルの片鱗が出てしまったのですが(笑いながら)」
ふぇ「汚いバトルだったねえ(笑いながら)」
ま「で、まあそれでぇ、口がそういう感じになりやすい、元々なってるんですよねぇ。ぷち方言を隠したイントネーションぐらいの、喋りやすい言葉だとまあその感じ(~~なのだがぁ)になる感じなんですよねえ……えへへ(かわいい笑い声)」
ふぇ「へぇ~、なんかぁ、すべてがマグロナちゃんになることが約束されてるよね」
ま「そう、偶然なんです~」
ふぇ「すごいな~、なんなのかしらこの子は~ほんとに~」
ま「直接的な汚い表現が出そうになったときは、ループバックする声がそこそこかわいい女性の声(恋声で変換された声)だから、当然ぶりっ子してる部分はありますよ~」
マグロナちゃんのかわいい喋り方の秘密は、バーチャル名古屋右側市(尾張)の独特の訛りにあるという衝撃の事実……! 尾張弁が語尾を伸ばす傾向があり、それがマグロナちゃんの天性のかわいさに繋がっていました。
こちらの動画は尾張弁が聞けますが、確かに実際に聞いてみると尾張弁は語尾を伸ばす傾向があって言葉に抑揚があります。な、なるほど~……! ふぇありすさんの言う女の子の喋り方の条件を満たしている~……!
さらに尾張弁は「にゃ」をつけて喋るそうで、それが配信中に出てしまい、リスナーに「にゃーにゃー」言われるようになったというも事実も明かされました。マグロナちゃんはそれを面白がって猫耳を実装し、「余~だにゃん」と猫キャラに寄せて言うようになったそうです。
これらの一連を流れを見ていたリスナーから「
」というコメントが寄せられました。
まとめ:恋声でかわいい声を出すにはどうすれば良いか
最後に、改めてこの配信中で明かされた恋声の極意をまとめていこうと思います。
恋声の設定
・恋声のピッチ・フォルマントの上限は130%まで(下がれば下がるほどボイチェンらしさが減る)。
・それ以上にするとモザイク声になってしまう。
・その設定で女性の声として変換されるように地声を高くして女性の声に近づける
喋り方
・言葉に抑揚を付ける。
・「何なんですかね」のような短い言葉でもあっても淡々と喋らず、音の高さに差を付けるように揺らして喋る。
・そして語尾を伸ばす。
言葉選び
・波風を恐れるおじさんになったテンションで優しく。
・汚い言葉を出さないようにぶりっ子する部分をもつ。
・尾張弁はバ美肉の聖地
配信で明かされた「男がもっとかわいい声を出す方法」の極意については以上となります。
両声類として高い技術を持つふぇありすさんがマグロナちゃんのかわいさの秘密を紐といていく今回の配信は、かわいいの秘密が理屈として分かる大変に楽しいものでした。理屈が分かればそれを再現することも可能です。今回の配信紹介がバ美活中のおじさんたちのお役に立てれば幸いです。
また、これを読んでいるあなたがおじさんで、バーチャル名古屋右側市に近い方でしたら、これを気に恋声を使って遊んでみるのはいかがでしょうか? もしかしたら、あなたもマグロナちゃんに匹敵する天性の『かわいい』の持ち主かもしれません。
恋声
http://www.geocities.jp/moe_koigoe/koigoe/koigoe.html
それではまた次回に。地獄がさらに美しくなった時にお会いしましょう。