腐女子とは、男性同士の恋愛(BL)を扱った作品を好む女性のことだ。
元々はそういう趣味をもつ女性が自嘲として呼んでいたものであったが、2015年頃からメディアでも多く取り上げられるようになり、腐女子を自認する芸能人・有名人が増えたこともあって、腐女子の扱いはポジティブなものになってきている(wikipediaより)。
そんな腐女子というキャラクターを前面に押し出して、活動しているバーチャルライバーが『鈴鹿詩子』さんである。本記事では彼女の魅力やエピソードを紹介したい。
「801 VS VIPPER大戦」にも参加した古の腐女子
詩子さんは自身のことを「古の腐女子」と呼称している。ネチケットという言葉がよく使われていた(2001-2004年)頃には腐女子として活動し、同人サイトの運営をしていた。
詩子さんの腐女子エピソードは多くあるが、その中でも、匿名掲示板の2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)の801板の住人としてVIPPERと戦った、いわゆる「801 VS VIPPER大戦」の参加者というものが異彩を放っている。
「801 VS VIPPER大戦」とは
2004年当時、2ちゃんねるの中でもっとも人が多かった『ニュース速報VIP板の住人(VIPPER)』と『801板の住人』とでおこなわれたスレッド上の口喧嘩のことである。
この事件はちょうど電車男のブームの頃(世間から2ちゃんねるが周知されはじめた頃)に起きたこともあって、古のオタクたちの間では知名度の高い事件となっている。
当時の腐女子たちは本当に日陰者の存在で、彼女たちの目線から事件の内容が語られることはほぼなかった。それが2018年、しかも(一応)企業系のバーチャルライバーが、その事件を参加者目線で語るという様子はリスナーに衝撃を与えた。
詩子さんが語った大戦の内容を要約するとこうだ。
801板に乗り込んできたVIPPERは、腐女子をおちょくるような発言をする。しかし801板の住人はそれを「かわいい」「ツンデレだ」「誘い受けだ」「萌える」といなし、その雰囲気に飲まれたVIPPERたちは戦意を喪失し、最終的には詩子さんは1人のVIPPERと友好関係を築くことに成功した、というものだ。
上記の動画は「801 VS VIPPER大戦」を語り始めるポイントから。このエピソードから、詩子さんは一部のリスナーから「汚いジャンヌダルク」とも呼ばれるようになった。
なお、2004年当時に課題と呼ばれるものを行っていたと考えると、「あれ、詩子さん30超えてね……?」と思うかもしれないが、詩子さんは(設定上は)26歳である。
スポンサードリンク
ショタコン趣味
そんな腐女子趣味を持つ詩子さん。好きな男性のタイプは「ちっちゃくてかわいい男の子が大好き」と語る。高校生の時はショタコンすぎて「しょうちゃん」と呼ばれていたとも明かした。
詩子さんがショタコンになった経緯は、小学校低学年の頃に見たカードキャプターの小狼くんから。そこからハンターハンターのキルア、Mr.FULLSWINGの兎丸くんを得て、中学生の頃からコミケに行くようになり、同人活動を始めるようになったと語る。
行き場のない母性
詩子さんのショタコン趣味は二次元限定であり、三次元は対象外だと言う。しかし三次元のショタたちのことも”かわいい”とは思っているようで、「小さい子を見ると目で追ってしまう」と明かし、自身の状態を「行き場のない母性を抱えた」と評した。
そういった詩子さんに母性を感じたリスナーは、彼女のことを「ママ」と呼び始めた。詩子さんも「行き場のない母性をリスナーにぶつけられる」とそれを認知。ここにwin-winの関係が築かれ、リスナーが「ママ」と呼ぶのは公認となった。
YoutubeからBANされる
詩子さんは『カズマと久我山の奇妙な廃校探検』という15歳以上推奨の同人BLゲームが原因でYouTubeからBANを受け、三ヶ月のライブ放送禁止処分にされたことがある。
これは後に、YouTube側の冤罪だったと判明して撤回されるのだが、(一応)企業系バーチャルライバーでありながらYoutubeからBANされるという前代未聞の展開はリスナーに衝撃を与えた。
詩子さんは「こういうゲームをどんどんプレイして、ノンケの方をホモにするのがお姉さんの使命なのかな」と、その配信中にとんでもない決意を語っていたこともあって、ますますリスナーの笑いを誘った。
詩子さんの凄いところはこの経験すらもネタに昇華するところである。BANを受けた次の配信は『月ノ美兎』とのコラボ配信であり、そこで『拘置所からの面会』という設定で配信を行った。
その動画へのリンク。
https://youtu.be/m60n_x8jdE8?t=15m40s
この配信はリスナーに好評であり、詩子さんが囚人服を着たファンアートがいくつも投稿される。
その後も、脱獄ゲームを実況プレイしたり、配信を面会と言ったり、YouTubeからBANが撤回されたときは、「冤罪と認めていただき勝訴できました。みなさんが信じて待ち続けていただいたおかげです!」と勝訴会見を行うという、完璧なオチでこの事件を締めた。
BANされた詳しい経緯は、この記事『YouTubeでBANされるとどうなるの?』が詳しい。興味があればぜひ。
まとめ:詩子さんの魅力とは?
いかがであっただろうか?
この他にも詩子さんのエピソードはたくさんある。例えば、配信中に記憶喪失になるとか、恐怖心という感情がないためホラー配信をしてもまったく怖がれないとか、キャラに合わせた声と素の声に差がありすぎて、キャラに合わせた声を出すと「誰?」とリスナーから言われるとか、まだまだ紹介しきれないのだが、腐女子とは関係が薄くなってしまうため今回は割愛させていただいた。
詩子さんの魅力をまとめるならば、筆者個人の感想になるが、配信で何が飛び出してくるかわからないところにあるだろう。
それは詩子さんの魂(中の人の意味)が体験してきたものが非常にユニークであり、またそれを積極的に出そうとする姿勢にあるからだと思われる。
最近(記事執筆5月28日)では歌のお姉さんらしく、配信中に歌をうたいはじめた。その選曲が80年代ソングや電波ソングなど、また絶妙なチョイスであり、キャラと魂の魅力が相乗効果を生み出している。
(上記の動画はファンが作ったMMDモデルに、詩子さんが配信で歌ったうたを調整して乗せたもの)
今後はどのような配信を見せてくれるのか、非常に楽しみなバーチャルライバーさんである。最後に詩子さんのYoutubeへのリンクを貼っておく。興味も持たれた方はぜひ。
鈴鹿詩子YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCwokZsOK_uEre70XayaFnzA/featured
詩子さんと関係の深いバーチャルYouTuber
虚拟DD
中国発の男性バーチャルYouTuber。詩子さんの推し。サービス精神旺盛なショタであり、それがたまらないとのこと。
虚拟DDYouTube:https://www.youtube.com/channel/UC9vyQt8JlsI8IvLRCtDjp-w
にじさんじ、月ノ美兎
にじさんじとは、株式会社いちからがプロデュースするバーチャルライバーのグループ名。また、そのグループが使っている配信アプリ名のことでもある。
詩子さんはにじさんじとして活動しており、他のメンバーとも交流が深い。その中でも『月ノ美兎』さんとの関係が深く、詩子さんは彼女の配信を見てにじさんじ二期生のオーディションに応募した。詩子さんがバーチャルライバーになったきっかけとも言える存在で、詩子さんは彼女のことを「みと様」と呼ぶ。
月ノ美兎YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCD-miitqNY3nyukJ4Fnf4_A
万楽えね
詩子さんとの二回目のコラボ相手。美兎さん、えねさん、詩子さん3名でコラボ配信をした。万楽えねさんもYouTubeでBANされた経験も持ち、その謹慎期間が解けたことを記念して、出所コラボという名目でおこなわれた。
万楽えねYouTube:https://www.youtube.com/channel/UCMaXopOC-gQ_NFTkq7esf4w