(この記事は前回の続きです)
つくメア最終回の配信を開始した月夜くんは、これまでノブを庇っていた態度から一転してプリプリ怒っていた。
ノブにやらせるのは可哀想かなって思ってたんだがぁ、こないだ見たギルザレン様の配信で『早く受肉しろ』とか言われてて。はぁ~、僕より有名になったなノブぅ。僕より有名になってしまったなあ。これはちょっと許せないなあと思ったから、ノブにやらせまーす。
偉くなったもんだなあ、実質にじさんじか?ももかちゃんの凸待ち放送にも行ったな、ノブお前ぇ
えっ、つくメアを差し置いて他の生放送で自分から凸してたの!?
それはもう、それは言い逃れできないじゃろ…
しかも、そらのももかちゃんの凸待ち放送に出たノブは、つくメアからデビューするのか聞かれて
「実は、随分前から別のアカウントでデビューしてます」
とどうでもいい嘘をついていた。
もうね、チャンネル登録200人超えて、あれだけギル様に言われて、ももかちゃんを騙して、イヌとイチャイチャして、それでまだただの視聴者でいようだなんてそんな虫の良いことはないぞ。
だってさあ、ノブが声やってくれないと。ボクがやることになるんじゃないんですか?ボクがかわいそうだと思わないんですか?
そう、これは月夜くんとノブの間でのヨシノブの擦り付け合いでもあったのだ。
実際にさっきから月夜くんがヨシノブを動かすたびに「かわいい」「ちょっと試しにオカマ声もやってみて」
と節操のない視聴者からのコメントが飛び交っている。
一回限りにする。自己紹介動画だけ声を当てればそれで許してやるから
月夜くんも何としても押し付けようと必死だ。
騙されたももかちゃんもコメント欄に登場してノブを攻めたてる。
「凸できたのに生でできないんか?ノブ」
「うそつきやがってノブ がんばれノブ おいノブ」
配信とコメ欄で取り囲まれ、逃げ道を絶たれたノブはとうとう観念して生放送に登場することになり、遂にヨシノブ自己紹介動画の公開収録が始まった。
ノブ登場
ちなみにノブが配信に登場するまでの間に安価で作られた自己紹介動画の台本は以下の通り
「いただきまーす!」
「新人Vtuberのヨシノブです!唐揚げ一つ!」
「それがしも今日からバーチャルユーチューバーになります。唐揚げ一つ!」
「まずは自己紹介をします!生一つ!」
「年齢はハタチで、性別は男の子です。枝豆一つ!」
「それがしは軍医なのですが、空腹で倒れたことがあり、それいらい空腹が何より恐ろしいのです唐揚げ一つ!」
「そのため、それがしは体中に大好物をまとっています。ゴーヤーチャンプルー一つ!」
「世界から飢えをなくすためVtuberになりました。生おかわり!」
「お勘定お願いします。ごちそうさまでした!」
完全に罰ゲームで読み上げされられる怪文章そのものの出来栄えだ。
月夜「ノブ大丈夫か?」
ノブ「大丈夫じゃないです…」
月夜「大丈夫じゃないのか?」
ノブ「おか、オカマ声とか…出せない…」
月夜「おまえ前イキってたろwオカマ声出せるって言ったよな」
ノブ「うん…オカマ声じゃなければパパパっと言っちゃえば大丈夫なんですけど…」
大盛り上がりするコメント欄とは裏腹に、歯医者に連れてこられた小学生のようにアンニュイなノブ
しかしここでノブが思わぬ反撃を見せた。
ノブ「ノブが言ったら月夜くんも言ってくださいよ」
月夜「えっ……。…ちょっと言ってる意味が分からない」
ノブ「ノブが頑張るんで、言ったあと、月夜くんが言うことで、やっぱ月夜くんなんだなってみんなも納得すると思うんですよ」
月夜「ちょっと…意味がわからないね…いや、絶対ノブなんだなってなるから…」
ノブ「最後にみんなで比べてみましょうよ」
月夜「なるほどね…対決ね。ほ、他にヨシノブ候補出てきてもいいよ、じゃあ。オーディションしよう!」
土俵際からノブが繰り出した一撃で勝負は五分と五分に。「つくってメアメア」最終回はノブの公開処刑から一転して公開オーディション番組へと変貌した。
ヨシノブ公開オーディション開始
そして流れを掴んだノブの実技審査が始まる。
「いただきまーす!」
「新人Vtuberのヨシノブです!唐揚げ一つ!」
「それがしも今日からバーチャルユーチューバーになります。唐揚げ一つ!あ、取り皿も一つ!」
「まずは自己紹介をします!生一つ!ピーッス!」
「年齢はハタチで、性別は男の子です。枝豆一つ!」
「それがしは軍医なのですが、空腹で倒れたところがあり、それいらい空腹が何より恐ろしいのです。あっ、唐揚げもう一つ!」
「そのため、それがしは体中に大好物をまとっています。ゴーヤーッチャンプルーーッ!!」
「世界から飢えをなくすためVtuberになります。生おかわり!」
「あっ、焼き鳥を盛り合わせで適当にレバー抜きでお願いします」
「それじゃお勘定お願いします。ごちそうさまでした!」
20歳の男の子という難しいキャラを、イメージにピッタリの声で読み上げるノブ。
しかもところどころアドリブを交える余裕まで。
スタンディングオベーションの勢いで喝采するコメント欄。
しかし、ここでとんでもないアクシデントが発生
セリフに合わせてヨシノブを動かしていた月夜くんがマイクを切り忘れるという大失態をしでかしてしまう。
ノブの演技に被さる月夜くんの笑い声
月夜「ごめんwwほんと笑っちゃった、マジでごめんwwww」
ノブ「あの、これでもう大丈夫ですかね…?もうVTuber卒業していいですか?」
月夜「これからだよwww」
全力でやり終えたのにまだ解放してもらえないノブは、万雷の拍手を背に、クソデカため息とともに帰っていった。
月夜「じゃあ、申し訳ないんだけど、ノブは後でさっきのセリフ別撮りして送っといてねwDM開放しているので、他にヨシノブをやりたいという方はそちらから」
ノブと月夜くんの勝負の流れだったはずが、何故か審査員のような口ぶりをしはじめる月夜くん。
一方、コメント欄から再び放たれるちあ様の赤紙に視聴者たちは震えることに
エントリーNo.2 月夜くん
はい、じゃあ行くよ。オカマ声、オカマ声。あ゛~、あ゛~゛、ニ゛ャ゛ンチ゛ュウ゛、ニ゛ャア゛ン゛チ゛ュ゛ウ゛
何故かニャンちゅうのものまねでオカマ声のチューニングをする月夜くん。
い゛だだぎま゛ーず!
新人Vtuberの゛ヨ゛ジノ゛ブでず!唐揚げ一づ!プーックスクス
そ゛れ゛がじばぁ、プッ、クククク
待って~オカマ声出来ない~
この有様には視聴者からもブーイングの嵐
別にふざけてないよ~、真剣にオカマ声を出そうと頑張ったんだよ。別にノブに決定させようとあんなふざけた事を言ったんじゃなくてノブがうますぎたんだよ~
しかし月夜くんには悪びれる様子は一切なかった。
次々現れる参加者達
ノブの熱演が台無しになったこの空気で他に応募できるやつがいるのかというムードをよそに3人目のオーディション突撃者が現れた。
ハイハイ、ハ~イ!どうも、バーチャルデスドッグYouTuberのイヌージョンです。ハイハイ、ハ~イ。あ、よろしくお願いしますぅ
登場したのは現役VTuberのイヌージョン
ノブを煽った一員として自分も体を張るしかないとの思いか、それとも先輩として新人を全力で叩き潰す覚悟か
イヌージョンの演技やいかに。
いただきまーす!新人Vtuberのヨシノブで、あっ、噛んじゃった~、御免なさいもう一回最初から行きますね。
いただきまーす!新人Vtuberのヨシノブです、からあげひと、あっ、噛んじゃった。無理です、台詞が難しい~。これをスラスラ読めたノブさんは凄い
茶番やめろ…
ノブをアゲるだけアゲて結局最後まで読まずに帰っていったイヌージョン。これで後の方向性は決定され、その後も代わる代わる出場者が現れてはヒトボケ入れて結局最後まで読めずに帰っていく茶番が繰り返される流れに。
月夜「何なんだろうねこれ、凸待ちとかやるつもり無かったんだけどボク…」
最後にはちあちゃんも登場し、「認知民のみんなぁ~認知してるぅ??」と台本を無視していつものクソデカ声で視聴者の鼓膜を破壊して去っていった。
公開投票
「みんなすごく良かったけど、これはオーディションだからね。誰か一人を選ばないといけない。一番良かった一人を」
そして勝負の行方はここまでつくメアを導いてきた安価に委ねられることに。
最終的に現役VTuber4人を含む8名が参加した激戦を勝ち抜いてヨシノブの中の人を勝ち取ったのは
なんと満場一致でノブ!
ただの視聴者がVtuberデビューを勝ち取ったシンデレラストーリーに視聴者達は大感激。
勇気を出して一歩踏み出せば、誰だってなりたい自分になれる。VTuberはそんな素敵な世界だということを教えてもらいました。ありがとうつくメア、そして勇気をありがとうノブ!
まとライバーはVTuberヨシノブを応援しています。